遊遊さかな辞典
すべての釣り人にお勧めする本が出た。ワタクシが特筆するのだから間違いないよ。さかなちゃんブログの釣りの固定客はだまされたと思って読んでみたらよろしい。書いたのは小西英人さん。この人は敬称略でもよいレベルかも知れないが、一応、英人さんとする。知っている人も多いと思う。関西で「週刊釣りサンデー」をやっていた御仁です。関東ではどちらかというとあまり知られていない。表紙カバー裏の著者紹介から引用すると。
「1954年、徳島県生まれ。(週刊釣りサンデー)元代表。1985年、釣り人向けの初めての本格的な魚類図鑑(さかな大図鑑)の編集を契機に魚類学への傾倒を深める。2007年、(釣り人のための遊遊さかな大図鑑)の編著者を務める。現在はフリーの釣魚エッセイストとして活動中」とある。
そうか、釣魚エッセイストというカテゴリーがあったのか。末広恭雄、檜山義夫、沖山宗雄の流れだな。そうか、そういえば、もっといらっしゃるな。なるほど。魚のうんちくを書いていた学者、研究者だが、釣魚エッセイスト専門家ではない。釣魚エッセイスト類似だった。川那部浩哉だって、一般向けの魚の本がいくつかある。つまり余業だ。
ここで、ちょっと引用しよう。光るところがたくさんあるのだが、、、、そのひとつ。
冒頭に、「さかなたちは饒舌である。(中略)魚たちの姿を記録し、その魚たちの声を聞こうとしたのだった。釣り人には思いのほか魚を見ない人もいる。とくに名人とかプロとか呼ばれる人は駄目である。魚は道具にしか過ぎないようなのだ。」そうだ、そうだ。これだけで信用できるではないか。
えーと、「遊遊さなか辞典」、小西英人著、発行(株)エンターブレイン、発売(株)角川グループパブリッシング、2009年12月2日初版。定価本体1700円+税。六十六の釣魚物語とさかな用語集、とある。
腰巻きには、「遊遊さかな大図鑑の著者がおくる釣魚深掘り読本。図鑑と辞典。あわせて読むと釣りが100倍楽しくなる!!」とある。文庫版で、800ページ。
実は彼が、なにかの縁で当さかなちゃんブログを読んでね、過去ログにある遊遊さかな大図鑑の紹介記事を読んだのかな、あなたは昔NIFTYサーブの釣りフォーラム(FFISH)でやっていた潮風さんですよね、今度出る「遊遊さかな辞典」を送るから住所教えてください、というメイルが来た。うわ、ありゃりゃ、バレたかっ。といっても、当時の人たちがこのブログを見たら随所で、だいたい分かるだろうけど。あたま隠して、、、、だ。でも、ふっつりしてから、とにかく10年ぶり以上の突然だった。
彼は関西の人だから、関東のワタクシとは基本的にネット上でのつきあい。ネットの草創期からだ。読み、書き、やりとりした。あれはマッキントッシュSE30発売の時だから1989年ころからだ。パソコン通信の歴史とほぼ重なる。いやー、、、古いな、20年前からの関わりだ。なつかしい。最盛期にやりとりは沢山あって、よく感応した経験が少なくない。読んでいて要所でピッピと心に来たのだよね。しかし、まあ、心の中は別にして淡交という域を出ない。彼が上京したときなど、お目に掛かったことが多少はあるけど。当時、ネットのオフラインにはそれほど出ないようにしていた。むしろ人のつきあいは淡交というものが良いのだと昔の人はいっていたからね。あなたの書くものは非常によく理解できるよ、心に響くと、、、、。けれど、内心では舌をまいていた。文章はプロだから立派だしね。読ませてくれる。釣りのライターなんてのはピンキリでたくさんいるけど、当時も今も、そういう人たちとはちょっと違うと感じている。どこがって、心が違う。たいしたものだなあと思っていた。そして、その後の20年のたゆまぬ研鑽というのかな、さらに立派に凄くなった。魚類学に首を突っ込んだのもすごいしね。その周辺はよく拝読して、とてもおもしろかった。いつも感心したものだ。
でも、作家の書いた釣りの作品を読むと、そりゃあ、ライターとは違う。もっとも、ヘミングウェイとか井伏鱒二や開高健あたりとは比較するのが間違っているけどね。釣りライターの文章は消耗品以下くらいに思っている。しかしなにがし情報があるだろう。といっても、そういうレベルの情報はいまさら欲しくないと自覚している。ノウハウなどは重要ではないのだ。そして、それほど釣りたいという気持ちがなくなってしまったのだ。微妙なのだ。ワタクシ、この本をたまに少しずつ読んでいれば、釣りに行かなくてもなんともないかも知れない。読み終わったら、また頭から読み直せば良いのだ。このボリューム。
深さ、広さ。1700円はものすごく安いと思う。釣り師でなくてもおすすめ。読書家には良い。
ということで、届いたばかりで、まだほとんど斜めしか読んでいないが、昔ネットにもシリーズで書きためていた部分が多少あるのかな。と、「おわりに」にそれがちゃんと書いてあった。「ぼくは饒舌のようである」とも。毎日、462編、魚への思い入れを書いたとある。
さかな用語集もすごい。ここまで学問的に魚類学に裏打ちされているものは他に見たことがない。しかし、この守備範囲はすごい。これだけで、すでに匹敵する人はいないだろう。魚類学をかじって、ほぼすべての、あらゆる釣りの経験。八面六臂。うんちくもスゴイの一語。それぞれの読み物としての文章のレベル。そう考えると、誰も追随することのできない域に達しているではないかと思い至った。いや、不肖ワタクシ相当読んでいるからね。大げさに言うと、過去も含めて、だ。網羅したことでは松崎明治か、ちょっと違う。垢石でも違う。近いところで奇矯な知識収集でホリオ剣か。まるで違う。森秀人、早川淳之介は普通だったから。いやー、抜いているね。いちいち挙げないけど、名のある人はすべて読んでいるといってもよいほど。
金森直冶の「列伝日本の釣り師」に出ている人で入手できる本は読もうと思ったくらいだからね。よいしょではないよ。あ、あ、あーー、あれー(悲鳴)やや、やめてよ、そんな歯の浮くよいしょは、、、、というかも知れない。ははは。ほんと。許してね、ごめん。ごめん。それから彼が書いているHPも紹介しておこう。釣り曜日だ。と、、、ちょっと書きすぎたかな。そうですよ、潮風さん、もっとさらっと書いてくれなくちゃ困りますよ、まったく。そういえば、今度は紹介を書いてくれなくていいですから送りますといっていた。いやー、とまらなくなっちゃったのよ。すごいんだから仕方がないのだよ。
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