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2007年7月16日 (月)

丸東のクロダイ竿

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丸東というのは、東作の普及品レベルの竹竿に押されていた焼き印が丸の中に東の一字であったので呼ばれた通称である。以前にも書いた。そして竿尻のあたりに銀色のラベルが巻かれていた。手持ちの竿の中には金ラベルが貼られた現物、銀ラベルが貼られた現物があった。それは未使用品状態の新品中古でウチに来たことになる。銀色は普及品を示し、高級品はそれが金ラベルであった。金か銀かで高級品か普及品に大別し、焼き印の違いによって五段階の細かいグレードを示すという手のこんだブランド戦略であった。銀ラベルには丸東と角東があり、その上は金ラベルに押されていた焼き印で、裸の東作、小判の中の東作、角の中の東作という序列。最上級の角の東作は注文の特別誂えにのみ押されたそうなので普通の流通品としては小判の東作が最上位であった。

例の焼き印の本などを見ると、提携関係にある川口の竿師から東作本店に並品の量産竿が入り、そこで検査してパスしたものに丸東が押されたようだ。パスしないものが無印となって流通したことがあるようだ。その上の角東は、すでに評価の定まった下請け竿師が角東で通用する作りで納めたと想像する。というよりも、そこそこ以上の素材で、そこそこの作りをするかどうかの違いであろう。そこそこ以上の素材になればなるほど製作本数が限られる。並品以上の作りは小さな失敗や不出来が許されず、手を抜けない。だが、量産竿師でも基本的な失敗などほとんどないはず。結局は素材の善し悪しが主な要因であるが、よくあるのは火入れの焼き焦げの痕である。結局は納入価格に影響し、それは製品グレードに連動する。ウチの無銘の四本継ぎはどこも不足はないように見える。よく見ると、火入れの焼け焦げ痕がある。原竹に曲がり癖が強かったり、ちょっとした油断で焦がしてしまうことはよく理解できる。多少の知識経験のある釣り人は、そういう竿を見て、これは大丈夫だ、かえって値打ち物だと喜ぶようなことがいろいろあったのではないかと想像すると楽しい。

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この丸東クロダイ竿は三本継ぎで約5m。総並継ぎである。口巻きの塗りは黒の普通の塗りでその時代の石鯛竿によくあった、ざらざらの金剛砂ではない。金属パイプでこみ口が補強されているのはお約束みたいなもの。ガイドとリールシートの巻きの塗りだけは高級竿風の金色まじりの銀色に見える。普通は並品には使わない。古くなって、すすけているけど。ただ、竿尻部分の竹に欠陥がある。円形ではなく、楕円になっている。完成以後だと思うが、少し割れが入っている。火入れの焦げも多少ある。並継ぎというと一格下のイメージを持ってしまう。石鯛竿を見ているからか、印籠崇拝に陥っている。総印籠の方が偉いと思うのだ。淡水の竿が中心の人は違うと思う。

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