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2009年5月 3日 (日)

万国実体写真協会の周辺

日本にもホームズベイズ式のステレオカードを扱っていた業者があったことはステレオファンならばよく知っているだろう。万国実体写真協会は東京市赤坂区檜町三番地にあった。そのつもりになれば、神田あたりの専門の古書店で見かけることはそれほど珍しくない。1枚2000円くらい。忘れていたが、裏面に鉛筆で2と書き込まれていた。万国実体写真協会の箱入りセットを僅かな差で逃がしてしまった経験談は、このブログで以前に書いている通り。このステレオは皇居の御堀端の楠木正成像。正成だったけ、たしか。

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しかし、一般の人、専門外の人には、ステレオカードなにそれ、だろうね。申し訳ない。普通の立体写真ファンでもほとんど知らない。万国実体写真協会があったという知識だけでも持っていれば、とりあえずステレオ写真ファンとして合格じゃないかな。時代は明治の末期。流行の言葉ではアラウンド1900年だ。アメリカではアンダーウッドからキーストンあたりのステレオカードの黄金時代。万国というからにはアメリカの版権を買って配布したことは明らか。たしか日本でも会員制の販売方式だったはず。アンダーウッドやキーストンは後日。

さらに、今回は立体写真愛好家でも、ん、ん、ん、というレベルの、マニア度はかなり高いものを紹介する。東洋双眼写真館と、活畫館だ。神田の古書店で発見入手したものや、ステレオカードのバラ売りをネットオークションで求めたものの中にこれが入っていた。わたくしも、実はなにこれ状態であった。ステレオファンとして、いろいろな情報、知識をそれなりに漁っていたので、まあレベルは高いと思っていたのだが、それまでの文献では見たことも聞いたこともなかった。ご存じの方はわたくしより遙かに遙かに上の世代のステレオファンだろう。つまりすでに亡くなっていらっしゃるはず。ん、わたくしなど比べものにならない造詣の深い研究者やマニアの方もいらっしゃるだろうから、あらかじめ笑い流してくださいと先手を打っておきますね。

さて、東洋双眼写真館のステレオカードの裏面には、「本邦ニ於ケル双眼写真発明者 村山峰月製造」とある。村山峰月とは何者だ。この名前はどこかの文献で見た覚えがあるようなないような、はっきり思い出せない。

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双眼写真発明と僭称しちゃってるのだ。原理は日本に写真が伝来して以来同時に知られているわけだから、日本ではじめてステレオカードを製造販売したということを誇大宣伝したのかな。さらに同じ裏面には「双眼写真立体写真画製造発売元」「東洋双眼写真館支店」「東京市日本橋区両国橋通り元柳町七番地」と記載されている。

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表面には、「S.Kutiba」「Riyogokubashi tori Tokyo」と印刷されている。くちば、、クチバ、、いったい何だ。名前か。朽葉さんかな。でも撮影者ではないだろう。社長の名前か。手元の「英国ロンドン市街」「仏国パリー市街」「遼陽ニ於イテ黒木軍ニ峰伏ノ俘虜」はすべて共通同様の体裁となっている。ロンドン、パリーは版権買いと見るが普通だ。アンダーウッドもキーストンも版権を買うと、撮影者の名前なんて出さない。と思う。ウチにあるカードの全部は調べていないけど。うん百枚ありますので。

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他方の活畫館ものは特徴がある。画面が四角なのだ。天がアーチ状に曲線になっていない。少数派である。裏面は「Katsugakwan」「Kanda Tokio」「Photographer.Stereoscope」「双眼写真 活畫館」東京神田区旧御成道元佐久間町六番地」とある。裏面がピンクのものとグレーもものがある。すべて鶏卵紙焼き付け貼りであろう。ウチにある中では手彩色のものはない。

どなたか、もっと詳しい情報をお持ちの方はぜひとも、コメントを付けていただきたい。ご質問でも結構です。

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ステレオ写真」カテゴリの記事

コメント

私の友人は上記ステレオカードおよび映写機が持っています。友人より依頼され、売りたいですが、どうすれば、どなた様と連絡すればよいかわかりません、ぜひご連絡お願いします。
写真をお送り対ですが、その方法を教えてください。

投稿: 温 浩 | 2009年10月22日 (木) 09時37分

コメントありがとうございます。ご友人の方がステレオカードを売りたいということですね。どのようなステレオカードですか。万国実体写真協会ものですか。東洋双眼写真ものでしょうか。活畫館ものでしょうか。どのような絵柄なのかということも価値に影響します。記事に書いているように、万国実体写真協会ものは神田の専門古本屋にたまに出ています。一枚2千円くらいだったと思いますが、需要がそれほどあるわけではありません。箱入りの美品ですと、それなりに価値があります。神田の古本屋さんから聞いたのは、昔の明治時代の有名建物や、有名場所が写っているものは需要がけっこうあって、一枚5千円くらいのものがあるということでした。しかし、すぐに売れるというものではないといってました。需要が少ない。さらに日本では供給がもっと少ないからです。
一方で、日本のヤフーオークションにもたまに出品されます。アメリカのEBAYというオークションにはたくさんのステレオカードが出品されています。たとえば、専門業者のひとつですが、http://shop.ebay.com/dhz123/m.html?_nkw=&_armrs=1&_from=&_ipg=25
があります。このアドレスをコピーして、http以下に貼り付けると見ることができます。
安いもので6ドルから8ドルです。この業者は相当に詳しい良い業者です。バラでなく箱入りというのは、このブログのキーストンワールドツアーブックに写真が出ています。テーマにもよりますが、300ドル以上になることも多い。欠番があるか、美品かどうかにもよります。どのようなステレオカードなのかによりますが、幕末明治の日本人写真師による日本ものならば価値があります。限度がありますが、わたくしが欲しくなるかも知れませんね。写真史に出てくるような有名写真師であったらもっとスゴイです。ホームズベイツ時代は映写機ということはありませんからビューアーのことでしょうか。写真を送るのはやり方をご存じの場合ですが、メイルに添付すればできます。わたくしのアドレスはプロフィールの中にあります。詳しいこと、プライベートに関わることを非公開でお聞きになりたい場合もメイルをご利用ください。普通の質問でさらに、ということならば、このコメントの下にても結構ですよ。わかる範囲内でお答えしますし、ご協力できる範囲でお教えいたします。

投稿: テツオ | 2009年10月22日 (木) 12時13分

さかなちゃん様
初めまして。今日、偶然、骨董市で活画館のビューアーと双眼写真41枚一式を入手しました。時代は大正と思われます。そう古いものでもないのですが、面白いものですね。手彩色のものも多く混じっており、とても状態が良く美しいです。ちょっと嬉しくてご挨拶まで。

投稿: okky | 2014年9月28日 (日) 14時36分

ありがとうコメントありがとうございます。よくいらっしゃいました。活画館のステレオカード。貴重なおもしろいものを入手なさいました。
このブログにカテゴリーにステレオ写真というのがあります。
万国実体写真協会の記事
http://siokaze1.cocolog-nifty.com/sakanachann/2009/05/post-51fa.html
別に活画館の実体写真
http://siokaze1.cocolog-nifty.com/sakanachann/2009/12/post-114b.html
このなかに子孫の方とのやりとりが少しふれられています。
キーストンのワールドツアーにも箱入りのステレオカードが触れられています。
ほかにもステレオ写真カテゴリーにはいろいろありますのでご覧ください。

投稿: 阿部哲夫 | 2014年9月30日 (火) 09時31分

ご紹介ありがとうございます。あまり知らなかったのですが、和製のステレオスコープは珍しいようですね。写真も明治から大正の風俗がよくわかり、とても楽しませていただいています。活画館の子孫の方も興味を持たれているのですね。勉強になりました。

投稿: okky | 2014年10月11日 (土) 22時41分

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