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2009年11月 2日 (月)

シンさんのモノクロ写真展

当ブログのリンクにある、ストライクエニイホエア。ちょっと古いフィルムカメラでモノクロ写真を撮っている御仁。15年前だったらこういうモノクロ撮影を敢えてしている人は少しも珍しくなかった。しかし、その時にすでに写真の勉強というか求道の人という感じだった。ネットを見ると、まだまだ、いらっしゃることはいらっしゃる。女性も少なくない。よく見かける。

シンさんとは新目白通りのウチのトイメンにある茶房杏奴で知り合った。アンヌという。ここはブロガーが集まる処のようで、どうも何人もいらっしゃるらしい。リンクにある「気になる下落合」をやっている北沢さんも常連だ。下落合には茶房杏奴ありという有名店かも。先代の喫茶店時代から知っていても、そういうことまでは知らなかった。灯台下暗し。とうだいもとくらしね。「気になる下落合」というブログは建築探訪とか地域文化とか地域現代史いう方面では屈指の内容。驚愕、感嘆、びっくらこいた。へー、下落合にここまでのブログがあるのかと。価値有り、意義有り、心意気有り。固定読者やアクセス数でも屈指だろう。地元の人が感動しないでどうするというレベルで、まさに感動している。これに比べたらワタクシのブログなんざあ子供の遊びだと思った。

Img_4423 さて、ストライクエニイホエアのシンさんのモノクロ写真。ブログを教えてもらって、拝見。これまた立派。ひとことでいうと、まあ、おもしろくて、味がある。少し前まで写真はほとんどモノクロだったわけだが、キレイ、綺麗、整っている、技術も完璧というような写真の対極であった東松照明、森山大道をリアルタイムで見てきた経験がワタクシにはあるのだ。難解であった歴史上の大写真家だ。そういった写真を下敷きにしてしまうと、そりゃ、なにかがすごく足りないが、比較する相手が間違っている。難解というのは、写真に凝縮しようとする重さというのかな、それを見る者に強いようとする奥行きだね。社会や現実と対峙する写真家の緊張関係。こういった写真家には軽さは探してもない。軽妙洒脱なんて、もちろんなかった。その一方でライカ使いのアンリカルチェブレッソン、日本でいえば木村伊兵衛といったタイプの写真家は被写体には激突しない。どちらもライカ使いというところに、何かの意味が分析できるかも知れない。被写体の切り取り方のレベルと決定的瞬間というヤツかね。ここで、完璧に激突しようとした土門拳を挙げておかないと片手オチ。

Img_4424 実は調子に乗ってシンさんに論評してあげるからね、俺のブログに書いてあげる、と言ってしまったのがたたっている。「ごくろうさん、よかったよ、立派だね」と書いても何の役にも立たない。有り難くもないだろう。しかし、短い言葉で核心を摘出することは簡単ではない。力量が必要で、どうしても長くなるのだ。いいかげんな論評にならないようにとなるとなおさらだ。それでもいいかげんなのだが。能力だから仕方がないとして、、、、。

時は流れ、綺麗、キレイという写真ではない分流のひとつは、私写真というようなことになっているらしい。荒木、アラーキーが私小説に対して私写真といっていた記憶がある。私写真を他人が見る。どういうことだろうか。他人が見ることを目的としない写真が持つ内容と意味とは。しかし、場合によっては他人の鑑賞を意識していないわけではない。心象風景だろうか。詩人萩原朔太郎の心象風景のステレオ写真に触れた記事がこのブログの過去ログにあるが、朔太郎だから意味があるのであって、どこにもころがっている人間の平凡な心象では意味が違ってくる。私写真の鑑賞。まず、感情の共感。理解できるという共鳴。軽妙。見ておもしろい。ユニークという切り口。昔は連帯という言葉も重要だった。ポーランドの自主管理労組のワレサ以後は流行らない。平凡が転じて光るということもあるだろう。これがポイントかな。

お散歩写真という範疇や、トイカメラの楽しみという流れもあるらしい。あれもレンズの味ということになるのかな。ロシアカメラね。それからピンホールの世界もある。もちろんステレオ写真もある。写真の座標、、、、大判のアンセルアダムスからファッション写真、ドキュメント系までの座標を論じてもあまり意味がない。その中でシンさんの座標を論じてもという意味だ。その平凡の私写真の切り方。そして、遅れて来た青年かなとご本人と喋ったのだが、すでに青年ではないらしくて、志向性もネットで類似の人達が少なくないことを見ると、遅れているとまでは言えないかも知れない情勢なのかな。シリアル2000番台のバルナックと旧エルマーを使っているような、ワタクシのような人に間違っても遅れているとは言われたくないのは当たり前であろう。

Img_4419 写真展は目白通りのギャラリー喫茶「ピアリッジ」で10月29日から11月10日まで。下落合4-21-16。詳しくはリンクのストライクエニイホエアを見てください。ウチは1丁目ですが、地元下落合ですから、聖母坂を上がって見に行ったわけです。洒落たお店でミニコンサートもできるとか。Img_4420 カウンターの白Tシャツがシンさん。Img_4422

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コメント

こんばんわ。この間はお忙しい中ありがとうございました!
有意義な時間を過ごさせていただきました。
そしてきっちりと講評も頂きありがたい限りです。
ウエブでは当たり障りのないコメントで少し希薄な意見しかいただけないのでテツオさんのようにはっきりおっしゃっていただけると勉強になります。
なかなか心をえぐるような写真を撮るのは僕の力量ではまだまだですが、これからものんびりとフィルムカメラで撮り続けていけたらなあと思っています。
またお会いしましょう。

投稿: しん | 2009年11月 3日 (火) 23時41分

はい、おはようございます。
このブログはどれもこれも長ーいだけでなく冗長なので申し訳ない。
その筋の人限定ですが、東松照明という写真家はかなり大家です。いやウチも大家ですが、小さなマンションです。ブログで紹介した有名なnagasakiと、日本という写真集が初期の作品です。ネットで古本情報を見たらどちらも15万円以上。びっくらこいた。当時、輝いていた。そのうちご覧にいれましょう。

投稿: テツオ | 2009年11月 4日 (水) 08時56分

あ、もうひとつ、ベティペイジのステレオ写真がウチに押し寄せてきちゃった・・・?オークションで落ちた情報を見て、他のステレオを送ってくれたセラーが(これがガチョウのおかあさんというハンドルネーム)こういうものならありますよとメイルをくれた。あなたはベティペイジに関心がありますね、、って。その他にも安く落とせたのがあります。どうもたくさん存在するようです。
これがまた、いいステレオです。

投稿: テツオ | 2009年11月 4日 (水) 09時06分

ぜひともまた拝見させてください!!笑

投稿: しん | 2009年11月11日 (水) 21時55分

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