
映画の大脱走でステーブマックインが着ていた。昔、1963年封切り。高校生の頃、映画を見てなんとまあカッコイイと思った。世代的には、あ、ジープが来たぞ、ヘーイ、サージャン、ギブミチョコレートである。国会議事堂前の鉄条網の中のカマボコ兵舎も見ている。白いMPのヘルメットも知っている。そのころ、このジャンバーは日本ではとても入手できなかっただろう。すでに1943年に補充のみの生産となり、空軍は布製の新型ジャケットが支給品となっていた。つまり、廃盤となった。もちろん、そんなこと知らなかった。だから支給されたA2を持っていたら空軍の人は宝物扱いだったという。空軍パイロットの誇りのシンボルとして。
人気があり、スタイルも良いので、民生品のコピーと、70年代80年代に精密高級復刻版がかなり生産され、驚くような高額でも熱烈マニアの需要があった。そういう専門メーカーがいくつもある。こんなこと、マニアは知っていても普通の人はまったく知らない。
1988年再びA2は採用され、空軍で官給品として支給されるようになった。A2支給復活を望む声が高かったからだとされている。
ところで、なぜかよく分からないが、この魅力的なA2を入手してしまった。肩章にはなんと階級章が付いているレア品だ。映画大脱走でマックイーンは捕まった時に自分の米軍大尉の階級章をドイツ兵に見せた。これがないと、戦時捕虜扱いとならない。スパイとして殺されても仕方ないからだ。
その大尉、つまりキャプテンの階級章はシルバーのバー2本。このジャケットはシルバーの1本で中尉だ。ファーストルテナントだ。少尉のセカンドルテナントは真鍮の1本。もちろん知らないから調べた結果。なるほどね。

ネットでA2ジャケットの写真をたくさん見たが、階級章が付いているのは見たことがない。大尉の階級章だけネットで売っているのを見つけた。これはタイピンのように裏で留めるスタイルだった。垂直針だから多分肩でゴロゴロしてしまうと思う。ウチの中尉章はピタリと薄い。多分、水平ピンスタイルかな。また別に、ペイントされた階級章の付いたA2ジャケットなら見たことがある。それは大尉の2本ペイントで白く塗ってあった。実物だといっているので、こういうペイントスタイルもあったのかもしれない。マニアの方教えてください。フライトジャケット何十着も所有しているマニアなんて珍しくないようだからね。

で、F15イーグルのワッペン。はいはい。そうですか。とつぶやく。とにかく、音に聞こえた空軍主力戦闘機。

さて、右胸のワッペンはエースサポートとある。そうか、エースパイロットをサポートするのか。調べてみると、あったよ。なに、海兵ウイングサポート隊373(MWSS 373)は、航空地上支援ユニットである米国海兵隊の中隊とある 。本拠地ミラマー海兵隊航空基地 、カリフォルニア州。え、え、え、海兵隊だって。ちょっとおかしいかも知れない。海兵隊の航空支援グループで湾岸の諸戦争に出動している。でもその人間が空軍のA2ジャケット着てたのかなぁ。公務で着ていいのかよ。そもそも、官給品として支給されたのか、疑わしい。F15の支援ってありだったのかなあ。普通、海軍はF14じゃねえの。中東の地上基地なら空軍のF15支援ありなのか。F14は航空母艦専用機で陸上配備なし、と想像すれば、こういうケースってありかなあ。分からない。
左肩のエアーホース。よくあるのは、印刷圧着スタイルだ。これは刺繍ワッペンで1とある。1ってなんだ。普通は数字なしだ。第一航空隊かな。わからない。よく見ると取り外したミシン目がある。配転移動でワッペンを付け替えた事例は少なくないそうだ。でもエアーホースマークはだいたいそのままじゃないかな。
所有者のネームが白ペイントで書かれている。中尉だった人の名前か。この海兵隊のワッペンさえなければ、不思議はないのだけどねえ。いや、レアケース推定として海兵隊によるF15支援ってのが、この通りあったのか。ないかもなあ。
次に、タグを見ると、メーカー名だけはあまり聞いたことがないが、どうも本物、実物のようだ。つまり、実物払い下げ品。一方で復刻版のA2高級商品は大昔に生産したジャケットをなにからナニマデ忠実再現しているというからややこしい。これを実名復刻品というらしい。タグを実名コピーするからとか
調べると、普通の民生品コピーと官給品のタグの見分け方があった。コントラクトNo.があるかないか。ちょっと定番と違っている。しかし、オーダーNo.はA2で確かに出てきた番号であった。空軍所有物というラベル表記も、アメリカでは本物でなければ勝手に使えないと思う。
どう解釈すればよいか。うーん。どうでもいいといえばその通り。アメリカで実物放出品をミリタリーマニアが海兵隊のワッペンを貼った。知らなかったのか、気にしない人だった。であろうか。詳しい人がいたら、解説お願い。
ま、とにかく、いろいろおもしろい。かっこいい革ジャン。サイズも36でぴったり。
また別に米軍払い下げ品と呼ばれた時代の海軍航空隊のG1ジャケットがあるので次回。これは70年ころ、バリバリ払下げ店の松崎商店だったよ。

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