ラウムビルトその2
ドイツ語でラウムビルトは立体写真のことです。空間ラウムの写真像ビルトです。アメリカのEBAYから2回ほどラウムビルトを落札したことがあります。ドイツのEBAYならRaumbildで検索するとちゃんと出てきます。ドイツの出品はバラ売りカードが多い。だいたい1枚1ユーロ。
http://shop.ebay.de/?_from=R40&_trksid=p3907.m38.l1313&_nkw=Raumbild&_sacat=See-All-Categories
しかし、アメリカのEBAYではRaumbildでは出てきません。CollectiblesのStereoviewsで検索すると、やっとその中に発見することができます。
http://collectibles.shop.ebay.com/Stereoviews-/13706/i.html?_npmv=3
3500枚くらいのホームズベイツ式のステレオカードがあって、さらにRaumbildで絞ると出ます。直接の検索ではヒットしないのが不思議。
09年11月の検索では23件ヒット。アメリカの業者出品はブックが多い。
ブックが欠損したバラのカードがあり。他の検索では、たまにビューアーだけがあり。通常はビューアーとカードがセットになっているブック。
ブックでもカード枚数の多いシリーズは高価だ。ウチにあるブックは、24枚カードという最小クラスのブックです。これで140ドル。現在も同じものが同じ値段で出ていた。えーと、Kostbarkeiten des Barock。バロックの宝石のその2です。表題を訳すと、17世紀、18世紀の世俗建築と室内装飾。教会ではないシリーズで、その1が教会建築となっている。こちらは持っていない。
その他にウチにあるのはブック欠損のカードだけのいくつかのシリーズもの。それと美品の単独ビューアーが付いていた。基本的にブックの形式は写真のようにビューアーが定位置に収まるようになっている。そして、解説ページがある。だから本来はブックの数だけビューアーが増えていくということになる。
ウチのカードのみのシリーズは、バイエルンが33枚。ドイツの田舎というシリーズの1と2、それぞれ30枚。戦災破壊建物のビフォーアフターというシリーズが30枚。これは歴史的建築が廃墟になって、見ると悲しい残念な気持ちになる。同じ位置から破壊後の姿を撮影している。他にRothenburg ob der Tauberという12枚。ベルリン ポツダムという27枚。
全般的に古き良きヨーロッパそのものという香り。有名な中世からの都市と名もないドイツの田舎町。ドイツ山岳地方。民族衣装というのかな、大人がはいている革の半ズボンが似合うようなスイスからオーストリア、ドイツにまたがるヨーロッパ風景。どれも見ているだけでしびれます。
実は、これらのシリーズはすべて、Made and Printed in West-Germanyとなっている。
西ドイツの印刷とある。つまり戦後の製品だ。撮影は多分戦前が多いと思うが英語とドイツ語が裏面に印刷されている。アメリカへの輸出用だ。戦前版にはドイツ語だけで英語は一切無い。バロックの宝石シリーズがそうです。
その1に紹介したHPを見ると、ブックというのはかなりの種類があって、名所旧跡や、風景が多い。ドイツの他にヨーロッパの主要地がある。ウイーンとかプラハなどの東欧や北欧もある。イタリアも多い。このオットーの会社はナチスにすり寄っていたのは確かですが、当時の事情を考えたら仕方がないだろう。立派だなと思うのは、教育分野もあること。両生類の立体骨格というシリーズのブックを見たことがあります。看護婦用の外科手当教育なんてのも見た。そして自らはラウムビルト出版といっていた。立体写真の業者としてアメリカのアンダーウッドやキーストンとは違う発展を目指したかも知れない。ラウムビルトを広く大きな山脈に発展させるという総合戦略を考えていたのでしょう。しかし戦争で挫折したのはどうしようもない歴史の流れ。でも、戦後の1950年代まではなんとか存続していたようです。なぜ、消滅したのか。キーストンが衰退し、リアリストやビューマスターでさえ結局は消えたのだから、やはり滅びたのは運命だったのだ。美しい悲劇である、と評価したい。それから、戦前の日本にどのくらい入っていたのか。日本におけるラウムビルトに詳しい方がいらっしゃったら、そのあたりを教えていただきたい。また、同好の方がいらっしゃったら連絡をお待ちしております。もしかして、特殊ハイレベルすぎて、いらっしゃらないかも。そんなことないか。日本では、そうだな、5人くらいかな。
1936年ベルリンオリンピックのラウムビルトが大量輸入されたかどうか。当時の情勢ではあり得ると思う。ナチス信奉派の陸軍の一部とか、その関係者がナチスものということでラウムビルトを日本に輸入していたかも知れない。
ラウムビルトのサイズは60ミリx130ミリのカードで画面は48ミリ角。印画紙を使っている。12ミリ空きだからベースは60ミリということになる。ベース60ミリは裸眼でも容易に立体視可能。裏面には解説が印刷されているというスタイル。
実は、ドイツにも類似品のシリーズがあり、イギリスにもある。イギリスはビスタスクリーンという。独特のビューアーとカードが手元にあるので次回に。このあたりになるとステレオファンでもレレレだろう。
ここで思い出すのは45mmx107mmのステレオ判。え、思い出さない。当ブログの萩原朔太郎のところで登場したステレオ乾板です。このサイズはその後、ベスト判フィルムのロールバック付きカメラに転進していきました。ちんぷんかんぷん、なんじゃらほい。クラシックカメラと写真の歴史とステレオ写真のすべての素養が必要なので、なんじゃらほい、ということで申し訳ない。ブローニーフィルムとベストフィルムのステレオカメラがありましたね。ローライドスコープには両方あります。ベスト判というのは40x65mm。ステレオにはいわゆる44判です。44判二眼レフというのがありましたが、その三眼カメラ版です。しかし、ラウムビルトは48ミリ角ですからベストステレオ密着焼きより大きい。
ホームズベイツのステレオカードとラウムビルトとリアリストを並べた比較写真。このホームズベイツは88mmの178mm。実はメーカーでけっこうサイズが違います。90の180くらいのがあるかな。面倒だから他は測っていない。画像は65の68でした。画像もそうとう大きさが違います。
で、以前に当ブログに登場した、パリのリシャールのビューアーを出してみました。45mmが横から入れるようになっているので、60mmの130mmカードは入らない。しかし、上に置くことができて、立派に立体視鑑賞可能です。どちらも、レンズの焦点距離は70ミリから75ミリといったところ。つまり、3.5倍のビューアーです。虫眼鏡の光学超初級理論。ここで撮影焦点距離と同じレンズで鑑賞すると同じ画角鑑賞となり、最も理想的ということを思い出してください。画像の大きさと鑑賞距離理論です。この周辺については誰も語らない。無視しているのか、無知なのか。不思議です。超広角レンズ撮影の画像を標準レンズの画角で鑑賞していることの意味。以前に当ブログのどこかに書いております。裸眼と違う見え方を無意識で享受しているわけだが、人間ではない眼球の見え方であり、そういうものを楽しむ感覚レベルを持っているわけね。
では、このラウムビルトを裸眼立体視するときの主要データとそれぞれの意味を論じよ。というような試験問題が出たら答案はどうしますか。これまでの記事を読むだけで、アヘアヘとなっているでしょうからやめます。つまり、ド素人のワタクシがいいたいことをいっているにすぎない。ははは。
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