露出計 光学式
こんな露出計を知っている人。ほとんどいない。日本語でググっても、詳しいのはない。しかし、欧米にはある。日本製の光学露出計がないかと調べたが、わたくしのレベルでは、というべきかわたくしのレベルでもというべきか、見たことも聞いたこともない。どうも生産されていなかったようだ。戦前のカメラ雑誌の広告をすべて調べたわけではないので断言はできない。で、知っている人が少ないから、これを面白いと思う人も少ない。いやほとんどいない。クラシックカメラファンのごくごく一部の人にいらっしゃるかどうか、というレベルである。竹の石鯛竿の竿敏のレベルをはるかに凌ぐ。こちらは神様仏様竿敏様と信奉する方がいらっしゃるかも知れないのだ。
光学式露出計の原理とは。被写体に向けた、段階的濃淡の指標スケールを読み取って明るさを計測するというもの。明るいものは、かなり濃いフィルターを通しても見えるという次第だ。透過する光量の違いを判別する。透過光が見えなくなるのを読み取るのだ。
現行商品、またはそれに近いものとして入手できるのは、ロシアのOPTEKだ。光学露出計でググると使用記がいくつか出る。ロシア光学製品マニアという方は少なくないのだ。
http://cccpcamera.photo-web.cc/RussianCamera/OtherGoods/ROSHUTSU/Optek/Optek.htm
http://cccpcamera.photo-web.cc/RussianCamera/OtherGoods/ROSHUTSU/Optek/OPTEKManual/Optek2.htm
実はEBAYで、初代の入射光露出計ノーウッドを漁っていたら、格安OPTEKがたくさん目に入った。なぜか、気がついたら一番安いのを注文していた、、ああ、あ、、、。だが送料含めて千円、二千円程度。しかし、ロシアからまだ届いていない。以前のコピーコンタックスの経験では一ヶ月以上かかる。
あるネットのページにあったOPTEKの写真を一枚勝手に使わせていただく。フィルム感度はロシア規格でGOSTという。これはISOの90%だということを知って感度設定すれば、意外にちゃんと使えるらしいのだ。
次は外国の露出計のコレクションのページ
http://www.jollinger.com/photo/meters/meters/balda_expophot.html
かなり以前にこれを見つけて仰天いたしました。歴史的セレン式露出計も出ております。世界には凄い人がいる。光学式となるとBertramのSuper Bewi Precision。Photo Utilities (DREM)のInstoscope。BaldaのExpophot。Zeiss/IkonのDiaphot。他に光学読み取り式色温度計とか、テスト印画紙を使ったもっと古い露出計などもあります。
Watkins Bee meterという美しい懐中時計スタイル。Diaphotに似ています。
で、ここで問題はですね、、、なぜか、こういう光学式露出計のいくつかが、手元にあるのです。なんと、それは凄いねとおっしゃってくださる方、まさかいらっしゃらないでしょうね。どうしてこういうことになったのか。昔、クラシックカメラに萌えていたとき、ライカメーターと呼ばれていた、バルナック時代の光学露出計を見つけて入手しました。原理を知っていましたので、手に取り、これがそうなのか、なるほどね、ちゃんと濃淡が見える、おもしろいなあと思った。え、普通は思わなだろうってですか。まあ、そうおっしゃらずに、、、。
Super Bewi Precisionは今でも使えます。これが通称ライカメーターと呼ばれた露出計です。1930年発売。この呼称はライツ社と提携関係にあったからのようです。表記はドイツ語。ドイツ国内向けのようです。横っ腹のバレルにBewi-Spezial-Modell fur die Leica-Kameraと記されています。シャイナー感度しかありませんが、どうもアメリカ感度のようで、しかも、コダックSSの修正指標があります。昔は高感度フィルムなんて普通ではないので、最大指標がシャイナー27度で、つまりASA100です。単眼鏡スタイルですが、使用者に合わせてピント調節ができます。
この単眼鏡を覗くと、昔の電話ダイヤルが見える。数字が消えたところギリギリを読み取る。コレクションページのJames Ollingerはバレルのプリントの海にも拘わらず、Drem Instoscopeより使いやすいといっている。同感。まさに細かい文字の海だ。現行の露出計と比較してみました。だいたい合っている。
このシャイナー感度の換算表は次のページにあります。シャイナーの話は後日。
http://homepage3.nifty.com/doggo/exposuremeter/kando.htm
1937年発売のDrem Instoscopeは使えない。換算がうまくいかないのです。最大感度はシャイナーの31度ですが、どうもおかしい。ヨーロッパシャイナーでもアメリカシャイナーでも合わないのです。現在のところ謎です。
次は、1921年から1934年まで販売された、Zeiss/IkonのDiaphot。美しい。日本のオークションでもよく出ます。フィルム感度の設定はない。ということは最初から特定感度に設定されている。どうもISOで50くらいと思われる。その感度でのライトバリューの絞りとシャッターの組み合わせが表示されるように単純化されている。ツアイスイコン企業合同の前の時代のイカ社製だったそうだ。イカ社は有名ですから知る人は多いでしょう。
このページを見ると仕組みがよく分かる。
http://www.lungov.com/wagner/c/074c.html
最後は箱入りのJUSTOPHOTというもっと古い光学式露出計。ウイーンが発祥のようで、ドイツはフランクフルト。モデルDと記されていて、シリアルナンバーは266326。26万代だが、そのまま生産量とは限らない。わたくしでも、使用方法がよく分からないのだ。設定クリックには、なんと2m、8sec、1/5 、1/25 。と4種類が出る。どう見ても、2分と8秒と5分の1秒、25分の1秒。なんだこれは。乾板時代か。単眼鏡の中にも同じ表示が濃淡で出る。おもしろいことがひとつ。DREMという名前は知る人は知る。これは、Dr.E.Mayerというウイーンの人から由来している。この人がパテントを取った。
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